HOME > RESEARCH

生きる仕組みの解明に向けて
分裂酵母を用いて細胞周期,分化,遺伝子発現と減数分裂の仕組みを明らかにする

 分裂酵母は真核生物のなかで最も単純な生物のひとつです。しかし、雄と雌に相当する性があり、栄養条 件が悪くなると性分化を行い、接合して減数分裂を行います。また、最先端の分子生物学、分子遺伝学、生化学、細胞生物学、生理学的な実験手法が使えます。さらに、ヒトの遺伝子を分裂酵母の中で発現させる と、分裂酵母の遺伝子の役割を肩代わりできることがあります。そのため、分裂酵母で明らかにされたこと は、ヒトを含めた真核生物全体の共通の仕組みの解明に役立っています。

 私たちは、分裂酵母を使って、細胞がどのようにDNAを複製し、染色体を分配して細胞分裂を行っている のか、分化はどのようにしておこるのか、遺伝子発現はどのように調節されているのか、減数分裂はどうな っているのかという疑問に答えるために、研究を行っています。また、分裂酵母を用いて、抗がん剤のスク リーニングをするための準備をしています。私たちの研究成果は、癌、染色体異常、不妊の原因解明に役立っています。