(1) 顕微鏡光学基礎

(1)顕微鏡光学
(2)アッベの結像論

(3)FFT画像処理

(4)特殊な顕微鏡観察法
(5)顕微鏡を使った計測
(6)そ の 他


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Q1-1. 4p顕微鏡を肉眼で観察するとき,観察像に接眼マイクロメータのスケールがちょうど重なって観察されていると する.観察されている拡大像とこのスケールを同時に写真撮影するためには、顕微鏡の上(接眼レンズの上側)に、写真撮影装置を取り付けてみた.しかし,焦 点をどのように合わせても肉眼で観察されたそのままの像をフィルムに撮影することはできなかった.なぜか?撮影するために,どのような工夫が必要か?

Q1-2. 5p観察している試料が光軸方向(z軸方向)へ移動した場合、もし、その移動距離が充分小さければ,観察像の 上での変化はわずかで無視できる程度となる.つまり,観察像の上での位置変化が,顕微鏡の分解能以下ならば,もとの観察像は全く変わらないと見なすことが できる.この観察試料位置の許容範囲を「物体深度(depth of field)」という.倍率m,開口数Naで観察するときの物体深度を予測せよ.

Q1-3. 5p写真などで拡大像を撮影するときを想定せよ.撮影する位置(フィルムの位置)が光軸方向へ移動した場合、 もし、その移動距離が充分小さければ、観察像の上での変化はわずかで無視できる程度となる.観察像の上での位置変化が,顕微鏡の分解能δ以下ならば,もと の観察像には全く変わらないことになる.この観察位置の許容範囲を「焦点深度(image depth)」という.倍率m,開口数Naで観察するときの焦点深度を予測せよ.

Q1-4. 3pホイヘンスの原理を使って以下の作図を行え。

a.何もない空間で,平行に進行する光の様子
b.進行方向途中に,垂直に置かれた遮蔽板のある場合の光の進行の様子
c.屈折率1.0から1.5のガラス内に角度30度で入射する光の進行の様子
d.波長の2.5倍離れた2点(光源)から同時に照射されるコヒーレントな光の進行の様子
e.上のケースにおいて、2つの光源の中心線(光源を結ぶ線に垂直な線)に平行な角度以外に、光が強め あって進行する方向があるか?あるとすればその角度は何度か?



Q1-5. 3pa.f=4cmの凸レンズ,手前, a=6cmの位置に,高さ1cmの試料をおいた時の結像の様子を作図せよ。横倍率を計算せよ。
b.f=4cmの凸レンズ,手前, a=3cmの位置に,高さ1cmの試料をおいた時の結像の様子を作図せよ。横倍率を計算せよ。
c.上の2つの場合について、それぞれ縦倍率はどのような値となるか。
d.顕微鏡を肉眼で観察するときには,接眼レンズで投影された虚像を観察することになる.虚像を「明視の 距離」である眼から250mm離れた位置にちょうどできるようにして観察した時(レンズからの距離が250mmとする),視角(視野の中で占める角度)の 上での拡大率を角倍率と呼ぶ.角倍率はどのような計算式になるか示せ。

Q1-6.4p次の文章の中から間違いを探し,間違いである理由を述べよ. タマネギの表皮細胞の厚みを計測するの に,次の手順で行うのが正確である.まず,顕微鏡鏡筒の(微動ツマミ)に目盛りのついた光学顕微鏡を準備する.次に厚みを測定する標準サンプルとなるよう な観察試料を用意する.これはカバーグラスなどを使うとよい.その厚みをマイクロマーター(厚み計測器)で正確に測定する.一般にカバーグラスの厚みは、 約0.17mmである.次に,顕微鏡で観察しながら,カバーグラスの上の面と下の面にそれぞれ焦点を合わせるようにする.この作業では物体深度の深い低い 倍率の対物レンズを使うのがより正確である.カバーグラスの上の面,下の面,それぞれの位置で,微動ツマミの目盛りを読み取って,その差(Δ)を計算す る.微動ツマミの目盛り1刻み当たり、どの程度顕微鏡試料台が移動するかは、(カバーグラスの厚み)÷(対物レンズの倍率)÷(目盛り数の差,Δ)で求め られる.この値をあらかじめ知っておけば、種々の観察試料の厚みを正確に測定することができる.用いる接眼レンズによってこの値は異なる訳ではないが,同 じ対物レンズを使う間は一定の値となる.

Q1-7.7p次の3つの条件で観察される像の違いについて詳述せよ.1.写真撮影用のカメラで絞りを小さく絞った時に撮影 される遠景の像
2.コンデンサ絞りを小さく絞ったときに観察される細 胞の明視野照明観察像
3.開口絞り内蔵の対物レンズで,この絞りを小さく 絞った時に観察される蛍光顕微鏡像

Q1-8.3p次の2つの条件で観察される像の違いについて詳述せよ.1.明視野照明で細胞を観察したが,照明の強さが強す ぎたので,光源ランプにかける電圧を下げて観察した.
2.明視野照明で細胞を観察したが,照明の強さが強す ぎたので,NDフィルター(全ての波長の可視光線で同じ吸収率を持った灰色の吸光フィルター)を使って光源の光量を落として観察した.


Q1-9.6p現在、40倍の倍率の対物レンズを使って、試料を観察している。観察は、対物像の形成される箇所(対物レ ンズからの距離は160 mm)に置いたビデオカメラを使って行っている。対物レンズとビデオカメラの間、対物レンズの直後に別のレンズを一枚追加して、像を現在の2倍の大きさま で大きくしたい。どのような焦点距離のレンズを置くと良いか。ただし、観察試料の位置は、現在とほとんど変わらないようにしたい。また、この時に、対物レ ンズの開口角は、どのように変化するかも予測せよ。