(2) アッベの結像論

(1)顕微鏡光学
(2)アッベの結像論

(3)FFT画像処理

(4)特殊な顕微鏡観察法
(5)顕微鏡を使った計測
(6)そ の 他


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Q2-1. 10pアッベの結像論で扱った分解能は,光軸に対して垂直な方向に置かれた正弦波格子についての理論である.この考え方を拡張して,顕微鏡の深さ方向(光軸に平行な方向)への分解能を以下に示す手順で論ぜよ.まず,光軸に対してαの角度で傾斜して置かれた正弦波格子が,光軸にβの角度で入射するコヒーレントな平行光線によって照明されてものとする.このとき,±1次の回折光が両方共対物レンズに入射できる条件を求めよ.この計算結果から,顕微鏡の3次元的な分解能について論ぜよ.それは横方向の分解能とどのように異なるか.レンズの開口数によってそれはどのように変わるか考察せよ.

Q2-2. 3pある2つの類似した空間周波数(f1f2)をもつ正弦波格子パターンを重ねると,その周波数の差(f1−f2)に相当する低い周波数(長い周期)のパターンが現われる.これをモアレパターンと呼ぶ.音波での"うなり(ビート)"の現象に相当する.もし,f1f2 両者ともに顕微鏡の解像度以下の周期であって,全く観察できない場合でも,f1−f2が解像度以上ならば,顕微鏡拡大像にモアレパターンが現われるので観察できる.この命題は正しいか.その理由とともに記せ.

Q2-3.4pコンデンサ絞りを変えたときの観察像の違い(ここをクリック)について,像質の評価を行い,なぜそのような差が生ずるかを述べよ.

Q2-4.4p対物レンズ開口数の違いによる観察像の違い(ここをクリック)について,像質の評価を行い,なぜそのような差が生ずるかを述べよ.

Q2-5.8p分解能を越える新しい顕微鏡観察法に関するE.H.K. Stelzerのコメント(Nature, News & Views, 417:806-807, 2002)を読み評価を加えよ。また、これに関連する論文(直接引用されていない論文でも良い)を一つ選び、その要旨をまとめよ。合わせて、約2000字以内で簡潔に記述すること。