(5) 顕微鏡を使った計測

(1)顕微鏡光学
(2)アッベの結像論

(3)FFT画像処理

(4)特殊な顕微鏡観察法
(5)顕微鏡を使った計測
(6)そ の 他


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Q5-1.8p ビットのグレイスケールで記録され,拡大像上で ピクセルの大きさに観察記録された物体があるとする(図参照).横倍率が,10nm/ピクセルとした場合,この物体が横方向に移動する移動距離を画像の上から求めるときの計測精度はどのようになるか.

Q5-2.12p以下の図は,それぞれ回転する物体を顕微鏡(対物レンズ)で拡大し,1方向に濃度勾配を持つフィルター上に投影し,フィルターを透過した光を光センサー上へ集光し計測する装置の模式図である.1) フィルターを固定する場合
2) フィルターを一定速度で回転させる場合1)の装置でどのような計測が可能か?
この装置に 2)のような工夫を加えることで,さらにどのような計測が可能となるか?

Q5-3.12pは,小さな蛍光スポット像(蛍光ラベルした生体分子の像など)を示す.このスポット像の光強度を計測するときのノイズがない場合,光に重心の位置を計算で求めれば,非常に高い精度で,スポットの位置を求めることができる.しかし,実際は光のノイズが存在し,このために計測精度の限界(δ)が存在する.この計測限界を下の手順で計算し,問いに答えよ.
 1) スポット全体で毎秒フォトンの光信号が検出されるものとする.つまり,τの時間で検出されるフォトン数はX・τとなる.
2) この像の位置変位(移動距離)は,1nm変位あたりフォトンの信号変化として検出できるものとする.
3)個のフォトン信号を検出するときの精度の限界は,ショットノイズと呼ばれる統計的なフォトン数のゆらぎできまり,√m (mの平方根)となるものとする.


問A. 計測精度の限界(δ)とdとの関係を図示せよ.ただし,は1nm変位当たりの信号変化量(フォトン数)を示す.
問B. 計測精度の限界(δ)とXとの関係を図示せよ.ただし,は光スポット全体の信号量(フォトン数)を示す.
問C. 計測精度の限界(δ)とτとの関係を図示せよ.ただし,τは測定する時間(1/τはサンプリング周波数)を示す.